9月11日(火)第10回メイ・サートン読書会:ティールグリーンで。
夏休みを終え、連日30度を超す残暑の中で、定例の読書会をすることが出来ました。ときあたかも、伊丹市在住の木工作家、想造工房の奥田守保さんと、画家の千珠夫人の手になるユニークで愉しい木工作品の展示が行われていて、木の薫りの漂う柱時計、天使の羽の椅子、小さな木切れをそのまま使っての美しい家々の模型に囲まれ、内庭に面した静かなお店の奥で、いつも通り読書会を持ちました。出席者四名。メイ・サートンが1973年にに発表した「独り居の日記」武田尚子さん訳、をテキストに、この日は、「11月18日」の項から「12月2日}までを読みました。。
若きころ、たまにはお茶に招かれたヴァージニア・ウ、孤独なこころを励ますサートン。12月2日の項はとりわけ心を打たれました。「人は地上にある生涯のすべてを通して、自らの霊魂を作る」という箇所に点線を引き、ティヤール・ド・シャルダンの、「個人的業績という展望を無限に超越し、・・・もうひとつの作品、世界の完成という共同作業に加わるべき」との説に、魂を昂揚させるくだりです。巻末の武田尚子さんが、そのすぐれて密度の高い解説で引用しておられる詩の一節がこころに沁みます。
-たとえ私の創造の力が衰えても
孤独は私を支えてくれるでしょう
孤独に向かって生きてゆくことは
「終わり」に向かって
生きてゆくことなのですからー
ほかにも日頃彼女が愛読する、詩人や作家の名が挙げられ、知名度の少ない作者のプロフィールを調べて簡単に紹介したり、ふと立ち止まって考察したり、ゆっくり読んで、終わりました。遅々とした歩みながら、確実に何かが根を下ろすことを期待しつつ。
次回は十月九日、午後2時から、都合で、場所はヒルズ久が原の多目的室で、行います。参加歓迎します。
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