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プロフィール

高沢英子

Author:高沢英子
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 伊賀上野出身
 京都大学文学部フランス文学科卒業

 メイの会(本を読む会)代表。
 元「VIKING]「白描」詩誌「鳥」同人

著書:「アムゼルの啼く街」(1985年 芸立出版) 
「京の路地を歩く」 (2009年 未知谷)
   「審判の森」    (2015年 未知谷)     

共著: 韓日会話教本「金氏一家の日本旅行」(2007年韓国学士院)
 現在メールマガジン「オルタ」にエッセーなど寄稿。

 

東京都 千代田区在住


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九月二十九日
 多摩河原の葦の穂が秋風になびき、草叢に蟲の音のすだく季節が、この年は突然戻ってきた。再びメイ・サートンの日記「回復まで」を読む。1978年のクリスマスにはじめられたこの日記は、三冊目。愛する女友達ジュディの老耄という悲しい現実に直面する辛い叙述で始まる。
 サートン66歳、ジュディ81歳?。ジュディは既に七年前から、老人ホームに住んでいるが、クリスマスをともに過ごそうと、サートンは迎えに行く。しかし、結果は?家族同然に慈しみあった友は、いまや「坂を転げるように衰えて」ゆき、「いっつしょにいても何の意味もない遠くへ去ってしまったことを悟らされる」・・・。
 
 サートンは翌年六月には、乳がんのため、全摘手術を受けている。「回復まで」という表題が、当然のことながら、肉体的な意味ばかりではないことを、時に応じ、深く感応しつつ読みすすめていきたい。

 
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