プロフィール

高沢英子

Author:高沢英子
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日本民主主義文学界会員。メイ・サートンの会代表。詩誌「鳥」同人。メールマガジンオルタ同人。

著書:「アムゼルの啼く街」芸立出版「京の路地を歩く」未知谷
 
俳句雑誌「芭蕉伊賀」、メールマガジン「オルタ」「民主文学」「婦民新聞」などに寄稿。

現在、難病の娘の家事手伝いと孫息子の育児支援中。 

東京都大田区在住。


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九月十七日
 この週、水、木と、惜しくも軽井沢FMを聞き逃してしまった私は、金曜日こそ、と思って、その朝、PCの前で7時50分になるのを待った。
 そして、竹前さんの、いつもの生気に満ちたスタートの声とともに始まった放送。今週は私の1冊の週だった、のである。紹介されていたのは、竹前さんも企画に参画されたすばらしい一冊の本、「夢のあとで」。それは、ひとりの女性音楽家、古沢淑子の足跡を辿った書だった。
 実は、私は既に七月始め、お知り合いになって間もない竹前さんから、この貴重なご本を贈っていただき、一気に読んでいた。驚きと感動と、今も続いている並外れた高貴な余韻、おそらく生涯忘れられない印象を私の脳裏に刻み付けたこの稀有な女性は、竹前文美子さんの声楽の師であるばかりでなく、生涯に亘たる生きた規範であるに違いない。金曜日最終の放送では、激動の大戦のあとさきを、フランスで耐え抜いた古沢淑子の波乱に満ちた体験と、その後1942年、いまだ荒廃した日本に帰国してから、その才能と研鑽の凡てを注いで後進指導に当たられた20年の歳月が簡潔に語られ、最後に彼女の不羈の生き方の指針がまとめられた。
 生きること。たのしむこと。美しくおいしく生きる。など女性にとって胸の躍るような項目の中で、とりわけ心に響いたのは、持てる能力に関して、深く深くほんものであること。という言葉だった。おそらくこの信念のもとに古沢淑子師は、みずからを鍛え、かつその弟子たちを鍛えたのに違いない、と私は今更、息を呑んだのである。
僅か10分の放送と考えられない充実した内容であった。
 私にとっても、この本の内容に関しては、まだまだ言いたいことは一杯あるけれども、とにかく、まずこの本を読んでみて下さい、と言い添えるしかない。2001年、二月十一日、こよなく愛したフランス、エヴィールの地で晩年をすごしたのち世を去った不世出のひとりの日本女性。ご冥福を心から祈るばかりである。
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